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神戸市内の都市緑地における徘徊性昆虫類の多様性

日時:2009年10月14日(水)13:20~ G318室
題目:神戸市内の都市緑地における徘徊性昆虫類の多様性
演者:丑丸敦史

現在、地球上の至る場所で開発等の人間活動によって著しい生物多様性の低下が引き起こされている。特に、都市開発はその場所の生物の生育環境を大きく変化させてしまう。そのため一般的に都市の中の生物多様性は、周辺の原生的、もしくは二次的自然環境よりも貧弱化している(Niemela et al. 2002)。この状況下で、公園や社寺林などの都市緑地はさまざまな野生生物の生息地としての役割を持ち、都市の中で生物多様性を残す場となっている。それぞれの都市緑地は市街地によって分断化されており、生物多様性が高く都市部への生物移入の源となる巨大緑地からの距離がそれぞれ異なっている。また、緑地間で植被率や構成植物種の多様性に大きな差がみられる。これら植被率、構成植物種による階層構造の発達等は都市緑地の生物多様性を決定する重要な要因として考えられている(島田ら 1991)。これまでの研究からは、(1)巨大緑地からより近い、(2)より面積が広い、(3)より植物種多様性が高い都市緑地で生物多様性が高くなるパターンが予測されている。これらのパタンが神戸市内の都市緑地でもみられるのかどうか巨大緑地を背後にもつ神戸市の都市緑地(2つの社寺林と16の公園)で研究を行った。その結果緑被率の高い公園でより徘徊性昆虫の多様性が高かったが、巨大緑地である六甲山系からの距離は公園内の徘徊性昆虫の多様性に影響を与えてなかった。
by mushikusa | 2009-10-19 11:21 | むしくさセミナー
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