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むしくさゼミ

日時2016.7.27
発表者:清水健将
題目 :「都市化が送粉ネットワークにもたらす影響」

近年、急激な都市化による生物多様性の減少が世界各地から報告されている。都市化により、かつて水田等として利用されてきた土地が、宅地や商用地などの人工地になる土地利用の変化が生じている。その為、都市化は水田周囲に維持される高い生物多様性をもつ里草地へ著しい影響を与えてきたと考えられる。

先行研究から国内の都市部の里草地では多年生草本が減少し、一年生草本が増加する傾向が報告されている。植物の種構成の変化は、生物間相互作用ネットワーク(送粉ネットワーク)を大きく変化させることが予測される。多年生草本は一年生草本と比べ、大きな花弁・長い花筒を持つと考えられ、長口吻送粉者は短花筒花よりも長花筒花を利用する傾向があるため、多年生草本種の減少は、それに依存する長口吻種の減少を引き起こすことが予測される。
そこで、本研究では以下2つの仮説を設定し、都市化が送粉ネットワークにもたらす影響について検証を行った。都市部では、①植物と送粉者の種数、個体数が減少する。②短花筒・短口吻を持つ植物・送粉者種が増加する。
③形質の不一致が生じてくる。
観察した植物の花筒長、送粉者の口吻長を測定し、都市化に伴い機能的送粉ネットワークがどのように変化しているかを解析し、各調査地において量的な送粉ネットワークを作成し、上述した仮説について検証を行った。
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by mushikusa | 2016-07-27 08:28 | むしくさセミナー

論文ゼミ 20160725 上原

日時2016.7.25
発表者:上原 勇樹
題目 :「Unifying the relationships of species richness to productivity and disturbance」

中程度の攪乱によって種多様性が最も高くなるという中規模攪乱仮説があるが、これは生態系の生産性によって変化する。また生産性と多様性の関連もはっきりとしていない。
そこで本研究では、既存のモデルに生産性と攪乱の要素を取り入れたとき、攪乱と生産性の相互作用が生産性や攪乱と種多様生徒の関連に帰着できることを示す。
競争した結果は、攪乱が大きい場合に下位の競争者を支持し、生産性が大きいときに上位の競争者を支持する
という2つの環境勾配に従って集団構成が変化することで説明される。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1088602/
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by mushikusa | 2016-07-25 11:37 | 論文ゼミ

矢井田友暉 2016/7/25

題名「Changes in Land Use of Pyrenean Mountain Pastures—Ski Runs and Livestock Management—Between 1972 and 2005 and the Effects on Subalpine Grasslands」

ピレネー山脈で行われた半自然草原の研究になります。
①1970年代から放牧の方法が変化したことで、植物種がどう変化したのか。
②牧草地の一部が冬場はスキー場として利用されていることの影響を、夏場の放牧の影響を考慮して調べている。
放牧による影響とスキー場利用による影響の両面からアプローチをしていることと、1972年のデータを利用した2005年の再訪調査であるところに面白さを感じました。

PDFfileは私のyahoo共有ボックスで一時的に公開しています。
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-fg5dqcykfky4vqbsw5pid2g3km-1001&uniqid=ed58549b-1167-490a-ab9a-71d4d5916654&viewtype=detail
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by mushikusa | 2016-07-25 08:44 | 論文ゼミ

論文ゼミ 清水健将 2016.07.25

日時2016.7.25
発表者:清水健将
題目 :「Functional homogenization of flower visitor communities with urbanization 」

・土地利用の変化による生息地の損失は、送粉者減少の主な要因となっており、中でも都市化は送粉者の種数を減少させる。送粉者の多様性の変化に関する研究は、種数に焦点を当てたものが殆どである。しかし、土地利用の変化は種数に加えオーダー(order)が、送粉者の組成変化を明らかにする為に重要であると報告されつつある。

・これまでの研究では、形質(化性、サイズ、資源獲得の様式)が種の減少を予測する為に重要であると報告されている。特に環境の変化は、容易に適応できるジェネラリスト種に比べて限られた場所にのみ生息するスペシャリスト種に大きな影響を及ぼすと考えられる。
・送粉者群集の機能構成の変化は、送粉機能と送粉サービスにとって重要であるが、土地利用の変化による送粉者群集の機能構成は未だ十分に理解されていない。

・本研究の目的は、送粉者群集に対する土地利用変化の主な効果を理解することである。
(環境の変化と土地利用の変化とが組み合わさると、昆虫の個体・種にどのような影響があるか)
①都市化により、送粉者の種数が変化するか
②都市化により、スペシャリストおよびジェネラリスト種の構成が変化するのか

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ece3.2009/full
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by mushikusa | 2016-07-25 06:25 | 論文ゼミ

むしくさゼミ 上原2016.7.20

日時2016.7.20
発表者:上原 勇樹
題目 :「地域的な攪乱頻度に応じた種プールの構築(仮)」

日本の水田畦畔を含む里草地(さとくさち)は、人為的な管理によって生物多様性を維持してきた。
近年、耕作放棄などの土地利用形態の変化により、生物多様性が減少していることが報告されている。

本研究では、人為的な管理による生物多様性の時間的挙動を理論分野から考える。既存のモデルを拡張し、数値解析的に「どのような種が人為的管理に強いか」などについて明らかにする。

今回は部分拡張モデルによる仮想種の挙動と、今後の研究計画について発表する。
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by mushikusa | 2016-07-20 02:56 | むしくさセミナー

論文ゼミ 朴容煥 2016.07.11

発表者:朴容煥

日時:2016年7月11日

タイトル:The relative importance of climate and habitat in determining the distributions of species at different spatial scales: a case study with ground beetles in Great Britain

気候変数は、主に広い範囲の種の分布を予測するモデルに使われた。でも、狭い範囲の種の分布を予測に対する方法はまだ合意に至っていない状態。
ほとんどの種は広い範囲の平均より狭い範囲の気候変数に影響を受ける。たとえば、植生の種類と管理、地質、土質などの要因に種の分布が違うのもできる。
それで、温度、照度、湿度、pHなどにいろんな環境要因に影響を受けるオサムシを用いてモデルリングをした。特にオサムシは温度に対する敏感だと調べてきた。

URL
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1600-0587.2011.07434.x/full
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by mushikusa | 2016-07-11 11:20 | 論文ゼミ

2016.7.11 論文ゼミ

日時:2016.7.11
担当:高島敬子

タイトル:Using plant functional traits to guide restoration:A case study in California coastal grassland(2011)

概要
植物群集の構成の環境状況の変化に対する応答は形質をベースとして考えることでより良い予測が可能となる。形質をベースとした生態学の発展により、生態系の再生はより大きな利益を得ることが出来る。植物の機能的形質は在来の種の集団に合わせた処理を採用することで、劣化した生息地を再生に導くために利用することができる。本研究では、外来種の侵入が進んでいるカリフォルニアの沿岸草地に対して、アプローチした。在来種の個体数と植物の群集形質の構成が1)実験的な土壌の貧栄養化と2)草刈りによる攪乱 に対して、どのように応答するのか実験を行った。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1890/ES10-00175.1/full
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by mushikusa | 2016-07-11 01:54 | 論文ゼミ

むしくさゼミ

日 時:2016.7.6
発表者:篠原 忠
題 目:対捕食者適応による昆虫の外部形態の進化:捕食パターンの違いによる影響の検証

捕食者による捕食は,生物の形態進化における主要な原動力と考えられている.これまで捕食回避の機能をもつ形態がさまざまな昆虫で報告されてきた.しかし,近縁種間で複数の防衛形態が見られる分類群において,どのような選択要因が多様な形態の進化を引き起こすのかはよくわかっていない.
本研究では特異で多様な外部形態を持つカメノコハムシ亜科を用いて,その棘と扁平縁の防衛機能を検証した.捕食者の捕食様式の違いに着目し,異なる4タイプの捕食者に対する防衛機能について,操作実験と野外調査を行い検証した.今回はこの結果について発表する.
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by mushikusa | 2016-07-06 11:51 | むしくさセミナー

むしくさゼミ

日時2016.7.6
発表者:勝原光希
題目 :「同所的に分布するツユクサとケツユクサにおける繁殖干渉」

繁殖干渉とは、繁殖過程で適応度の低下をもたらすあらゆる種類の種間相互作用を指す用語であり、種の共存条件や分布を考える上で、重要な役割をカギを握ると考えられている。

今回は、自身が研究している田畑に生育する一年生草本であるツユクサ・ケツユクサの系を用いて、「繁殖干渉の頻度依存性」についてのこれまでの研究と、繁殖干渉下での共存機構としての「繁殖干渉と自殖の関係」についてのこれからの研究計画についてお話しさせていただきます。
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by mushikusa | 2016-07-06 10:24

あるカエルにおける種分化初期段階間の接触帯動態

発表者:夏天

概要:地理的に隔離された系統間の接触における,遺伝的,行動的な影響を特徴づけることは,種分化のメカニズムに関する理解をもたらす。コーラスカエル(Pseudacris crucifer)は,新北区に六つの分化したmtDNA系統が分布しており,多くの系統は完新世に二次的接触をした。我々は鮮新世に異所的に分化し,現在は西南オンタリオ湖にて分布が重なっている二つの系統の,遺伝学,形態学,♂の鳴き声と♀の好みを検討した。mtDNAと核DNAのクラインに不一致は見られなかったため,交配前隔離の方向性を反映している。我々はこの二つの系統間の連続的な形質変異の中で,分化を見つけた。♂の鳴き声の特徴と,♀が自身の系統の鳴き声に対する好みに形質置換が見られた。雑種は形態学的に両方の親種と異なり,雑種♂の鳴き声は音響学的に中間であった。雑種♀は東部♂の鳴き声を非対称に好んだ。これらの結果を総合的に考慮すると,一方向的な交雑と,交雑を妨げる選択の存在を支持するとともに,生殖形質置換(生殖隔離の強化)を示唆している。
我々の研究は様々なデータの統合の有用性を実証し,複数の形質における分化の過程を明らかにすることで,種分化の本質にアプローチする。

論文はダウンロードできないので,僕が持って参ります。
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by mushikusa | 2016-07-04 13:06 | 論文ゼミ