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論文ゼミ

発表者:福岡有紗

「Environmental DNA surveikkance for invertebrate species advantages and technical limitations to detect crayfish Procambarus clarkia in freshwater ponds」
以上の題名の論文について紹介します。URLは以下です。印刷してきていただければありがたいです。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1365-2664.12262/abstract

要約
 外来種の移入は生物多様性の大きな脅威である。定着した侵略種の根絶問題は、非対象種にとって犠牲が大きく危険であり、外来種の低密度での早期の発見が生態系を保護するために重要である。近年、環境DNA法が水環境中で対象種を検出するために有力な方法であることが明らかになってきたが、これらの研究はほとんどが魚類や両生類に焦点をあてている。

本研究では、フランスの池158面において、淡水の侵略種の甲殻類であるアメリカザリガニを検出するために環境DNAとトラップ法を行い、各環境状況や水質などの観点から比較することで、各手法の利点と技術的限界を調査する。

各手法での検出結果が大きく異なったため、環境DNAとトラップ法を組み合わせることが、池のような小さい水域におけるアメリカザリガニの侵略の監視に向くと考えられる。また魚類や両生類と対照的に、外骨格のある甲殻類は、水中に放出するDNAが少量なのではないかと考えられる。
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by mushikusa | 2014-05-28 13:20 | むしくさセミナー

論文ゼミ

発表者:長井拓馬

「Effect of Restration on Plant Species Richness and Composition in Scandinavian Semi-Natural Grassland」
という論文を紹介させて頂きます。
URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1061-2971.2004.00334.x/full

要約
北ヨーロッパにおける植物種の多様性は千年にわたる伝統的管理方法によって影響されてきた。
近年、管理放棄による生息地の破壊・分断化・孤立化で多様性が減少することが問題となってきているが、それを防ぐために再生の取り組みも行われている。
しかしながら、再生後の植物種の多様性やその群集構造に関しては情報が殆ど無い。
本研究では、再生の結果に関係すると思われる4つの生態学的要因が、植物種の豊富さ・種密度・種構成・10種の指標となりうる草原生植物種に対してどう影響するのかを調査した。

2つの要因が再生の指標と正に相関したが、種構成に関する変数には影響しなかった。
10種の草原生植物種に対しては殆ど要因は影響していなかったが、1種が正に影響されており、再生の指標となりうると可能性がある。
結果として、種の豊富さに対する正の影響は再生後、比較的すぐに現れるが、希少種はすぐには回復していなかった。それゆえ、周辺に個体群が残っていることなどが重要となると考えられる。
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by mushikusa | 2014-05-28 09:44

2014/05/21

日 時:2014年5月21日(月)13: 20〜
発表者:橋爪裕宜
題 目:修士の研究予定

「環境DNAの物性の研究」
生物から環境中に放出される環境DNAは近年、生態系調査の代替手段としての開発が進められている。水棲の魚類、両生類、ほ乳類では検出が可能とされており、実際の調査手段としての技法の確立が急がれる。そのためには環境中に「漂う」環境DNAが化学的にどういう状態なのかを評価する必要がある。
本研究では移動の様子、分解の原因、大きさの特定をメインに環境DNAを調べていく。後々、実際の野外環境での検証、調査への応用を目指していきたい。
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by mushikusa | 2014-05-21 13:20

2014/05/21 むしくさゼミ 山本哲史

日 時:2014年5月21日(月)13: 20〜
発表者:山本哲史
題 目:これまでの研究紹介

「クロテンフユシャクの種分化」および「菌根菌の多様性と相互作用」に関する研究を紹介する。

クロテンフユシャクの種分化

クロテンフユシャクは時間的隔離による種分化の好例である。本研究はEvolution (3rd; Futuyma)やEvolutionary Analysis (5th; Herron & Freeman)といった進化生物学の教科書でも紹介されている。発表では具体的なデータや解析を含めて紹介する。


菌根菌の多様性と相互作用

植物は根で多様な菌類と共生している。植物根における菌類群集の成立にはどのような要因が関わっているだろうか。種間相互作用は群集集合に影響するひとつの要因である。菌根菌では、外生菌根菌において菌類どうしの相互作用が研究されている。しかし、外生菌根菌は、内生菌やアーバースキュラー菌根菌など他の生態型の菌類と共存することがしられている。そのため、外生菌根菌群集はその成立メカニズムにおいて、他の生態型の菌類からも影響を受ける可能性がある。そこで、外生菌根菌に限定せず多様な菌類を検出し、それらの間での相互作用を明らかにする研究を行った。結果として、外生菌根菌は内生菌などとも相互作用していた。このことから、外生菌根菌の群集は、多様な菌類から影響を受けていると考えられる。
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by mushikusa | 2014-05-20 16:34 | むしくさセミナー

論文ゼミ 内田  5月19日

Butterfly responses to environmental factors in fragmented calcareous grasslands
以上の題名の論文について紹介します。URLは以下です。印刷していただければと思います。

http://download.springer.com/static/pdf/49/art%253A10.1007%252Fs10841-011-9416-5.pdf?auth66=1400476114_cf73cd61b76dff250e474ebdc6d35fc6&ext=.pdf


要約

 生息地の分断化と孤立化は生物多様性および種の存続にとって、負の影響をもたらすことが、非常に多くの既往研究から報告されてきた。しかしながら、種ごとと、群集へ与える環境の変化は異なる可能性があり、保全に関する議論を行う場合、種ごとにおける環境変化の影響は把握する必要がある。

本研究では、南ポーランドの石灰岩地の草原において、変化する草原周辺の環境がチョウの種数と個体数に与える影響を把握することを目的とした。

チョウの種数と個体数はパッチサイズとシェルターの長さが正の要因であった。チョウは植物の種数とも正の相関があった。普通種は、人間の居住区からの距離が遠く、植生高が低い生息地を好む傾向にあった。

それぞれの種ごとに公的環境は異なっていることが考えられ、ハビタットの多様性が高いことが良いことが示唆された。
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by mushikusa | 2014-05-17 14:36 | むしくさセミナー

論文ゼミ 篠原

日 時:2014年5月14日(水)13: 20〜
発表者:篠原 忠
題 目:色斑多型を持つバッタTetrix japonicaにおける,生息環境の違いに対する色斑のカモフラージュ効果


本論文では,対捕食者適応の観点から昆虫の色斑(色彩や斑紋)の機能について検証を行われている.
色斑多型はさまざまな生物種で見られる.Tetrix japonicaは小型のバッタであり,砂地と草地の両環境に生息すし,その色斑には多型がある.仮想の捕食者としてヒト,そしてさまざまな色斑のバッタを異なる環境に配置させた写真を用いて,1) 色斑多型間で隠蔽度が異なるか,2) 特定の環境で隠蔽度が高くなるか,3) 色斑型の頻度はその隠蔽度を反映しているか,という3つの課題に取り組み,今までに提唱された仮説について検証を行っている.
その結果,色斑型間で隠蔽度が異なり,有利/不利がないとするneutral仮説は棄却された.さらに,隠蔽度は砂地と草地で異なっており,いずれの色斑型も草地で隠蔽度が高かった.本論文の結果に基づくと,環境ごとに有利な色斑型が異なるとするbackground heterogeneity仮説は棄却できない.しかし,野外ではより隠蔽度の高い色斑型の割合が低く,これはこの仮説で説明することができない.この結果は,色彩による隠蔽と,その他の適応度に関わるものとの間にトレードオフが存在することを示唆している.そのため,各色斑型に有利な点と不利な点があるとするdifferential crypsis仮説が支持された.

Tsurui, K., Honma, A., Nishida, T., 2010. Camouflage Effects of Various Colour-Marking Morphs against Different Microhabitat Backgrounds in a Polymorphic Pygmy Grasshopper Tetrix japonica. PLOS ONE, 5(7): e11446.
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by mushikusa | 2014-05-14 09:48 | むしくさセミナー

2014/05/12 むしくさゼミ 藤原

日 時:2014年5月12日(月)13: 20〜
発表者:藤原綾香
題 目:環境DNA手法を用いた水生植物の検出法開発

環境DNAを用いた水域での検出法は、魚類を中心とした動物に対して確立されている。一方、植物に対しては未だ環境DNAによる検出を試みた前例はない。
そこで、私は環境DNAを用いた水生植物の検出法を確立することを卒論のテーマとした。

用いる対象種はオオカナダモ(Elodea densa)である。要注意外来生物(外来生物法)に指定されており、もともとは実験用として輸入され、その後野生化した。水槽用の水草としても市場に流通している。また、近縁種であるコカナダモ(Elodea nuttallii)も同様に外来種である。これらふたつの外来種により、在来種であるクロモ(Hydrilla verticillata)が駆逐されているという報告がある。

植物における環境DNA検出法が確立すれば、植生調査における労力・時間を省くことにもつながり、また、目視での判別が難しい種の同定や、目視そのものが難しい場所に生えているものなどを検出する際にも有効な手法になると言える。
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by mushikusa | 2014-05-12 12:18

むしくさゼミ  日高

日 時:2014年5月12日(月)13: 20〜
発表者:日高舜介
題 目:特別天然記念物オオサンショウウオの西日本分布調査
          並びに核DNAを用いた検出系開発

オオサンショウウオは、日本固有の生物であり国の特別天然記念物に指定されている。
また、準絶滅危惧種としてレッドリストにも登録されており保護活動が行われている。
しかし、近年近縁外来種のチュウゴクオオサンショウウオとの交雑が、京都の桂川水系で発見され問題となっている。

チュウゴクオオサンショウウオが、今日本にどのくらい分布してしまっているのか
交雑種と外来、在来のオオサンショウウオの分布状況はどうなっているのか、西日本全域の調査を行いたいと考える。
また、従来ミトコンドリアDNAをもちいて分布調査を行っていたが、それではオス由来のDNAをみることができない。よって両方をみれる核DNAを用いた検出法の開発も行いたいと考える。
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by mushikusa | 2014-05-12 10:34

むしくさゼミ 福田

日 時:2014年5月12日(月)13: 20〜
発表者:福田向芳
題 目:環境DNAを用いたクラゲ類の検出法の開発

アカクラゲは春から夏の温度が上昇する時期に増える毒クラゲの一種である。現在、アカクラゲの大量発生により、海水浴客への被害や沿岸漁業への被害が報告されている。

アカクラゲの被害を最小限に抑えるために、アカクラゲがどの時期にどこに多く存在するかを知る必要があると考えられる。ミトコンドリアのCO1領域などを用いた環境DNA手法は、ため池や川などで魚の在・不在の判定をすることができる。本研究では、この環境DNA手法を「クラゲ」に対して、「海」でも適用できるということを、示すことを目的とする。
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by mushikusa | 2014-05-12 09:19

むしくさゼミ 勝原

日 時:2014年5月7日(水)13: 20〜
発表者:勝原光希
題 目:都市の特殊な環境下におけるツユクサの自殖形質の進化

現在、世界中の多くの地域で都市化の進行にともなった生物の生息地の減少、及び生物多様性の都市域での貧弱化が数多く報告されている。しかし、都市には、今までに存在しなかったような新たな環境をつくりだすという側面も存在するはずである。

本研究では、都市における新たな環境として側溝に着目し、自殖と他家受粉の両方の形質を持つツユクサを対象種とする。側溝内では訪花昆虫の極端な減少や資源量が制限され、その結果自殖的な形質が進化するはずだという仮説の検証を行う。
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by mushikusa | 2014-05-07 11:16 | むしくさセミナー