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2012/12/17 論文ゼミ 高橋

日 時:2012年12月17日
発表者:高橋颯吾
題 目:性選択と生殖器の進化

 内部受精をする動物の生殖器形態は極めて多様である。この原因について明らかにすることは、進化生物学における長年の課題でもある。生殖器の多様化を生み出すメカニズムとしては、始め『性選択が多様化を生み出すという仮説』と『性選択以外の要因が多様化を生み出すという仮説』の2つの仮説があったが、現在は前者が支持されている。性選択とは、繁殖を巡る異性間もしくは同性間の競争によって生じる進化のことである。性選択のひとつの側面としては、精子競争がある。交尾に至ったのちの受精をを巡る複数のオス間の争いのことで、自身の精子の受精を達成するために様々な戦略が進化している。これは生殖器形態にも影響するため、形態の多様化を生み出す一つの要因でもある。
 本論文では、生殖器形態と性選択の関係性についての理解の進歩や、現在までに行われた研究について議論している。
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by mushikusa | 2012-12-17 12:32

論文ゼミ2012/12/17  栗本

日時:2012/12/17 13:20~
発表者:栗本大輝
題目:Pollen tube competition as a mechanism of prezygotic reproductive isolation between Mimulus nasutus and its presumed progenitor M.guttatus
ミゾホオズキ属の一種であるMimulus nasutusとその先祖と推定されるM.guttatusの接合前生殖隔離 のメカニズムとしての花粉管競争


花粉は柱頭に付着後、花粉管を伸長させ胚珠を目指す。その際、花粉は胚珠数を上回ることが多く、花粉管の伸長速度が速い花粉のみが受精できると言われている。
本論文で取り上げたミゾホオズキ属の植物では近縁種間の花粉管伸長率の違いによって接合前生殖隔離を行っている。
花の形態が異なる近縁2種を用いて、花粉と花柱の関係・発芽率や花粉管の伸長距離を調べた。
そして、生殖隔離を行うメカニズムを明らかにした。
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by mushikusa | 2012-12-17 00:34 | むしくさセミナー

2012/12/12 むしくさゼミ 栗本

日時:2012/12/12 13:20~
題目:花粉管競争の場としての花柱
発表者:栗本大輝


植物における性選択の研究は動物と比べて遅れているのが現状である。
しかし、花の色・かたち・香りなどの形質の進化の研究は植物の性選択を研究する上で必要なものである。
その中で、今回の研究では、受粉後の性選択を行う場として花柱が存在するという仮説を検証した。

4月から11月にかけて野外調査を行ったデータをもとに
花柱長とかかわりのある花形質との関係を用いて性選択の観点から見た花柱長の役割を明らかにする。
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by mushikusa | 2012-12-12 11:02 | むしくさセミナー

2012/12/10論文ゼミ 篠原

日 時:2012年12月10日(月)13: 20〜
発表者:篠原 忠
題 目:Phylogenetic relationships of egg parasitoids (Hymenoptera: Eulophidae) and correlated life history characteristics of their Neotropical Cassidinae hosts ( Coleoptera, Chrysomelidae).
卵寄生者(ヒメコバチ科)の系統関係と,それに関連するカメノコハムシ類の生活史.

ヒメコバチ科Eumolphidaeは卵寄生する種を含んでおり,その中にはカメノコハムシ類に寄生する種が知られている.本論文では,核DNAの28SとITS2,mtDNAのシトクロムbの塩基配列に基づき,NJ,MP,ML,Bayesの各手法を用いて,卵寄生するヒメコバチ科24種の系統関係を明らかにしている.また,ヒメコバチ科の系統関係がカメノコハムシ類の生活史の違いと関連しているのかについても調べ,カメノコハムシ類の産卵行動とヒメコバチ科の分岐進化が関連していることを示している.さらに,Total Evidence methodおよびMRPの2つの手法を用いることで,全遺伝子の同時解析も行っている.
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by mushikusa | 2012-12-10 10:35 | むしくさセミナー

2012/12/5むしくさゼミ 松久

日 時:2012年12月5日(水)13: 20〜
発表者:松久聖子
題 目:「雌雄異株植物において開花数に対する送粉者の反応が開花フェノロジーの性差をもたらす」

 植物の性的二型性の進化については、未だ明らかになっていないことが多い。雌雄異株植物における性的二型性の進化は、進化生物学の中心的課題となっている。
 雌雄異株植物の性的二型性の中で、開花フェノロジーの性差は、研究が必要とされているテーマの一つである。開花フェノロジーの性差において、最大開花率(開花の同調性)に性差(メス>オス)があることは言われているが、その性差がなぜ生じるのかは、議論が不十分となっている。
 そこで、本研究では、花のディスプレイに対するポリネーターの反応が、最大開花率(開花の同調性)に性差を生み出すのではないかとの考えのもと、調査を行い、これを検証した。
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by mushikusa | 2012-12-04 22:45

2012/12/05 論文ゼミ 福本

日 時:2012年12月5日(水)13: 20〜
発表者:福本想
題 目:Detection of a Diverse Marine Fish Fauna Using Environmental DNA from Seawater Samples
海水サンプル中の環境DNAを用いた多様な魚類生物相の検出

 近年、海洋生態系が乱獲などにより世界的に危機にさらされている。海洋生態系の保護にあたって、これまでの調査法においては、調査できる環境が限られていたり、種同定を誤ってしまうといった問題があった。そこで、水中に溶存している生物由来のDNA(環境DNA)を検出する調査方法が研究されている。
 環境DNAを用いた調査法は、実質どんな環境でもサンプリングできる。また、DNA解析に基づいた種同定により信頼できる結果が得られる。そして、なにより調査の労力を減らすことができる。最近では、淡水環境において環境DNAによる調査法の成功例がいくつか報告されているが、海水環境での研究はされてこなかった。
 そこで、本研究では、海水環境における環境DNAによる調査の有用性の検証を目的とし、検出可能種数とDNA分解速度の2つの実験を行った。
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by mushikusa | 2012-12-04 18:58 | むしくさセミナー

2012/12/3むしくさゼミ 中本

日 時:2012年12月3日(月)13: 20〜
発表者:中本幸太郎
題 目:「チョウセンカマキリの性的共食いを伴う交尾時間延長の適応的意義」

カマキリでは交尾の際に雌が雄を捕食する“性的共食い”が知られている。捕食されることによって後の交尾機会を失うため、雄には大きなコストがかかる。よっ て、雄はこのコストを補うために対抗進化をしている可能性がある。これまでの研究から、交尾中に捕食された雄は交尾時間が有意に増加することがわかっており、これは、⑴受精成功率の増加、⑵雌のガード時間の増加、に繋がる可能性がある。そこで、本研究では、チョウセンカマキリを用いてこれらの可能性を検証した。
⑴に関して、1匹の雌に2匹の雄を交尾させて受精成功率を比較した。その 結果、捕食による交尾時間の延長に伴い受精成功率が増加する可能性は低いことが示唆された。さらに、交尾時間の延長と精子輸送量の関係についても検討し た。
⑵に関して、交尾中のペアに対する他雄の反応と、他雄の介入に対する交尾中の雄の反応を調べた。また、雄を誘引する鍵のひとつと考えられる雌の動きを単独雌と交尾雌で比較した。

以上の結果から交尾時間の延長の適応的意義を検討した。
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by mushikusa | 2012-12-02 21:31 | むしくさセミナー

2012/12/3論文ゼミ 松久

日 時:2012年12月3日(月)13: 20〜
発表者:松久聖子
題 目:Pollinator response to female and male floral display in a monoecious species and its implication for the evolution of floral dimorphism
雌雄異花同株におけるメスとオスの花のディスプレイに対するポリネーターの反応と、花の二型性の進化への影響

 ポリネーター仲介の選択は、花の性的二型性が生じる一因と考えられている。花の性的二型性の研究において、花のサイズは調べられてきたものの、開花数については無視されてきた。
 開花数は花のサイズと相互に関係し、ポリネーターの選択性に影響するはずである。今のところ、花サイズの性的二型性の原因や結果は、花のディスプレイ(一日あたりの開花数)の背景において、明示されていない。
 先行研究では、花のサイズと開花数の間にトレードオフがあると仮定とすると、花のディスプレイの選択は、オスとメスの繁殖成功に対する花サイズと開花数の関係性で適応度が決まるだろうと言われている。
 本研究では、実験によって、花のディスプレイサイズが、花のサイズと相互に関連してポリネーターの引きつけを決定するかを調べた。
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by mushikusa | 2012-12-02 10:51