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2012/11/28むしくさゼミ 篠原

日 時:2012年11月28日(水)13: 20〜
発表者:篠原 忠
「カメノコハムシ亜科 Cassidinae(甲虫目ハムシ科) の分子系統および形態進化」
 
 カメノコハムシ亜科はハムシ科の1亜科であり、日本からは43種が知られている。外縁部が扁平化したカメノコハムシ類や多数のトゲに覆われるトゲハムシ類のように、特異的かつ多様な形態をした種を含んでいるが、それら形態進化プロセスについてはよくわかっていない。
 そこで本研究では、DNAの塩基配列に基づいて系統関係を推定し、本亜科の多様な形態がどのように進化しているのか解明することを目的とした。
 これまでに決定したmtDNAのCOⅠおよびCOⅡの塩基配列をもとに最尤系統樹を作成した。その結果、各遺伝子座に基づく系統樹の樹形には違いが見られた。COⅠの配列に基づく系統樹では、主にトゲハムシ類からなるクレードとカメノコハムシ類からなるクレードが存在し、カメノコハムシ類とトゲハムシ類の両者の特徴を持つ種は中間的な場所に位置した。また、形態の進化プロセスを知るために、得られた系統樹に幼虫および成虫の形態形質を復元させた。
 以上の内容を踏まえ、カメノコハムシ亜科の系統関係、形態進化プロセスについて議論し、今後の研究計画についても発表を行う。
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by mushikusa | 2012-11-27 20:44 | むしくさセミナー

2012/11/26論文ゼミ 松久

日 時:2012年11月26日(月)13: 20〜
発表者:松久聖子
題 目:Floral dimorphism in plant populations with combined versus separate sexes
組み合わさった性と、分離した性が存在する個体群における花の二型性

 花の特徴の二型性は、雌性と雄性の間の選択の強さにおける変動を通して進化する。今まで、花の二型性に関する研究は、雌雄異株に注意が注がれ、雌雄異花同株はほとんど扱われていない。よって、花の二型性のパターンや大きさは、二つの性表現でほとんど比較されてこなかった。花の二型性の自然淘汰は、性の機能が組み合わさるか、個体へ分離されるかによって異なると考えられるため、これらの比較は有益である。
 性の機能は、雌雄異花同株では植物体の花の間で、雌雄異株では個体間で分けられる。本研究では、雌雄異花同株と雌雄異株の二つの性表現が存在するSagittaria latifolia (Alismataceae)(オモダカ科の水生植物)を対象に、花のサイズ、花序あたりの花数、日常の開花数を調べた。そして、雌雄異花同株と雌雄異株のオス機能、メス機能について、花の特徴と性的二型性を比較した。
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by mushikusa | 2012-11-23 16:30

2012/11/19論文ゼミ 永田

日 時:2012年11月19日(月)13: 20〜
発表者:永田優子
題 目:Flowering phenology and height growth pattern are associated with maximum plant height, relative growth rate and stem tissue mass density in herbaceous grassland species
草原性草本種の開花フェノロジーと植生高の成長パターンは最大植生高,相対的成長速度,茎の質量密度と関係する

 植物の種間におけるフェノロジーの違いは、植物の成長と繁殖、群集内での植物やポリネーターとの共生にとって重要な要因であると考えられている。しかし、物理的、生物的によく似たハビタットにおける種間でのフェノロジーの違いが生じるメカニズムについては、未だ理解が不十分である。
また植生高は競争力や生存に大きく影響し、他の重要な特性(茎の質量密度など)とも関係することが知られているが、草本種での研究は少ない。本研究では、開花フェノロジーは植生高の成長パターンと関係するか、開花フェノロジーは植物の特性と関係するかを検証した。
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by mushikusa | 2012-11-18 17:22 | むしくさセミナー

2012/11/12 論文ゼミ 中本

日 時:2012年11月12日(月)13: 20〜
発表者:中本幸太郎
題 目:Mating stimulates female feeding: testing the implications for the evolution of nuptial gifts
交配は雌の摂食を刺激する:婚姻ギフトの進化的意義の検証


雄は交配時に雌に精子と供にカロリーの高い「婚姻ギフト」を渡すことがある。しかし、婚姻ギフトの雌の栄養上のベネフィットは直翅目、鞘翅目の種でほとんど見られない。そこで、なぜ婚姻ギフトが進化したのか問題視されている。何が婚姻ギフトを維持しており、いつギフトが雌のベネフィットにならなくなったのか?雄が摂食刺激を利用して、雌を引き寄せようとする感覚トラップ仮説(sensory trap)を提案した。最近の研究では精液タンパク質は雌の交配後の摂食行動を活発にさせるという結果があり、その影響で間接的に婚姻ギフトが食べられているのであれば、それはsensory trapと言えるが、これはまだ立証されていない。本研究ではフタホシテントウを用いて、交配時の雌の摂食行動の変化を観察し、sensory trap仮説を検証した。
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by mushikusa | 2012-11-11 10:45 | むしくさセミナー

2012/11/12論文ゼミ 平岩

日 時:2012年11月12日(月)13: 20〜
発表者:平岩将良
題 目:Responses to olfactory signals reflect network structure of flower-visitor interactions
嗅覚シグナルへの反応は花―訪問者相互作用のネットワーク構造を反映する

 ネットワーク解析は相互作用の多様性や複雑さの見識を供給し、群集の安定性や共進化についての結論を導く。しかし、個々の種間の相互作用を調整する化学的なシグナルのような生物学的な形質やメカニズムといった、ネットワークの細かい構造はほとんどわかっていない。本研究では、昆虫がランダムに花と相互作用することを仮定した場合の期待値と、観察された強さの逸脱をlink temperatureとして新しく定義した。link temperatureをシグナル(花の香り)への受け手(訪花者)の反応と比較することで、嗅覚のキューへの動物反応によって、ネットワークの強さが反映されるのか調べた。
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by mushikusa | 2012-11-09 23:18

2012/11/5論文ゼミ 丸山

日 時:2012年11月5日(月)13: 20〜
発表者:丸山航
題 目:Male monarch butterflies, Danaus plexippus, adjust ejaculates in response to intensity of sperm competition
オオカバマダラDanaus plexippusの雄は精子競争の強度に反応して精液の投資調節をする

 鱗翅目の雄は,交尾時に付属腺の物質と有核精子(受精機能あり)と無核精子(受精機能なし)から成る精包を雌に投資する.性選択の理論では,雄は精子競争のリスクと強度に応じてこれらの精液物質を調節すると予測される.
 本研究では,オオカバマダラDanaus plexippusの雄における精子投資の調節とそのきっかけとなる行動的・物理的原因との関係を調べた.
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by mushikusa | 2012-11-04 23:02

11月5日 論文ゼミ 高橋

日 時:2012年11月5日
発表者:高橋颯吾
題 目:STATIC ALLOMETRY AND ANIMAL GENITALIA
    静的アロメトリーと動物の生殖器

 117種の節足動物と17種の脊椎動物の調査では、オスの生殖器は相対的に低い静的アロメトリーを持つ傾向が示された。この傾向は、性選択の元で進化した多くの体の部位が高いアロメトリーを持つことと対照的である。この結果に対して様々な仮説が立てられているが、その1つとして、オスの生殖器は平均的なメスのサイズに合わせるように進化したという“one-size-fits-all”仮説が知られている。この仮説には、『雌雄間の生殖器の機械的な合致』と『雌に接触する信号装置としての雄生殖器の選択』の2つの側面がある。
 本論文では、生殖器のアロメトリーに関する数多くのデータをまとめ、そこから得られるパターンの議論、および生殖器の進化に関する仮説についての議論を行った。
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by mushikusa | 2012-11-02 21:40 | むしくさセミナー