<   2012年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧

論文ゼミ

日時:7月23日 13:20~
発表者:松久聖子
題目:Flowering phenology, display size, and fruit set in an understory
   dioecious shrub, Aucuba japonica
   低木層の雌雄異株低木アオキにおける、開花フェノロジーと花の表現型の
   サイズと結果率

論文の要旨:
森林の低木層の雌雄異株植物は、ジェネラリスト型のポリネーターによって受粉されており、効率的な受粉は行われないと考えられる。その中でどのように繁殖を成功させるのか、本研究では、森林の低木層の雌雄異株低木のアオキについて、花の表現型の大きさ、開花フェノロジーと結果率との関係について調査した。また、花粉制限が野外における結果率の要因になっているかを調べるために、人工授粉の実験も行った。
調査の結果、花の表現型(花序あたりの花数、個体あたりの花序数、個体あたりの花数)が増加しても、結果率には影響がなかった。
また、人工授粉の実験から、雌雄異株という性表現や、ジェネラリスト型に頼っているという受粉の機会が少ない特性であるにも関わらず、結果率には花粉制限がないことが分かった。さらに、メスの花は、花粉を受け取るまで維持していた。
一方で、開花フェノロジーは結果率に影響し、オスもメスも最も豊富に開花しているときに、結果率が一番高くなった。このことから、開花期間においてオスの花が乏しい時期には、ある程度の花粉制限があると考えられる。
[PR]
by mushikusa | 2012-07-22 13:52

7月9日 論文ゼミ 高橋

日 時:2012年7月9日
発表者:高橋颯吾
題 目:Pitfalls in understanding the functional significance of genital allometry
    生殖器のアロメトリーの持つ機能的意義の理解における落とし穴

 節足動物のオスの生殖器は負のアロメトリーを示す(すなわち体の大きなオスの生殖器は不釣り合いに小さく、小さなオスでは不釣り合いに大きい)。
 本論文では、"one-size-fits-all"仮説と、生殖器にかかる選択のパターンの関係性について議論している。特に、方向性選択−安定化選択の対比及び自然選択−性選択の対比に焦点を合わせている。
 また、アロメトリーを用いた研究において注意すべき方法論上の問題点も指摘している。最も大きな問題点としては、生殖器のある部位のアロメトリー値を絶対値として扱うのではなく、非生殖器の部位と比較した相対値として扱わなくてはならないという点がある。また、アロメトリーの議論において、大きさ(size)と形(shape)の区別をしなくてはならないという問題点もある。
[PR]
by mushikusa | 2012-07-06 21:49

7月4日 (水) むしくさセミナー 永田

日時: 7月4日 13:20~
発表者: 永田優子
題目「半自然草原における管理の放棄、変化に伴う植物多様性の減少メカニズムの解明」

要旨:
半自然草原とは、人の管理によって維持されてきた草原であり、多様な草原性生物が見られる環境である。しかし、近年、ライフスタイルの変化や管理者の高齢化などに伴い、草原面積が減少し、草原性生物の多様性減少が世界的に報告されている。本研究では長野県の半自然草原において、草原管理とそれによって変化する生育地の環境要因が、植物にどのように影響を与えているのかを明らかにし、草原性植物の多様性を生み出すメカニズムを示す事を目的としている。2011年までの結果をふまえ、今年の調査の中間報告を行う。
[PR]
by mushikusa | 2012-07-04 10:32

7月2日 論文ゼミ 永田

日時:7月2日(月) 13:20~
発表者:永田 優子
題目:Moving from pattern to process: coexistence mechanisms under intermediate disturbance regimes.
パターンからプロセスへの移行:中規模な撹乱形態下における共生メカニズム

この論文は中規模撹乱仮説(Intermediate Disturbance Hypothesis:IDH)に関するレビューである。IDHとは、中規模的な撹乱の下で生物の多様性がピークとなる、という説である。強すぎる撹乱下では、成長に時間を要する種が育てず、また逆に弱すぎる撹乱下では、競争に強い種が先駆種を駆逐してしまう。これらの中間程度の撹乱下にて、両方のタイプの種が共生できる。撹乱と多様性のパターンを示した研究は多いが、そのメカニズムに迫った研究は少ない。本稿では、これまでのIDHに関する論文を整理し、メカニズムを示す為に必要な条件について考察を行う。
[PR]
by mushikusa | 2012-07-02 07:28

7月2日(月) 論文ゼミ 篠原

日時:7月2日(月) 13:20~
発表者:篠原忠
題目:The phylogeny of monkey beetles based on mitochondrial and ribosomal RNA
genes (Coleoptera: Scarabaeidae: Hopliini)
ミトコンドリアおよびリボソームRNAの遺伝子に基づくアシナガコガネ族の系統

 アシナガコガネ族Hopliiniはアフリカ南部で多様化した、花食性および食葉性の種を含む大きな分類群である。これらは成虫の食糧源や交尾場所として花と密接な関係を持っており、そのため重要なポリネーターになっている。アシナガコガネ族は、他のコガネムシ科の分類群との系統関係が形態形質を用いた研究で議論されているが、DNAを用いた研究はこれまでに行われていない。
 本研究では、アシナガコガネ族46種を含むコガネムシ科158種で28S rRNA、COⅠ、16S rRNAの塩基配列を用いて解析を行った。最尤法とベイズ法を組み合わせて系統関係を復元したところ、アシナガコガネ族の単系統性が示された。アシナガコガネ族はMacrodactyliniと姉妹群になり、これらを含むクレードはハナムグリ亜科+スジコガネ亜科+カブトムシ亜科の基部に位置している。アシナガコガネ類の夜行性以外の種では性的二型が見られるが、最節約配置の結果から、性的二型の独立した3つの起源と同時に花にもぐり受粉を行うようになったことが推測された。
[PR]
by mushikusa | 2012-07-01 00:36 | むしくさセミナー