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むしくさ 勝原

日時:11/18(水)13:20~
担当:勝原光希
タイトル:同所的に分布するツユクサとケツユクサにおける繁殖干渉

 繁殖干渉とは「配偶過程において適応度の低下をもたらすあらゆる種類の種間相互作用」を指す言葉である。繁殖干渉は、その強度が集団内の他種頻度に依存し、次世代への正のフィードバックをもたらすという性質から、競争排除を強く促進することが知られている。
 植物においては、他種花粉が柱頭につくことによる物理的な被覆、胚珠の天引き、雑種形成、等のメカニズムによって繁殖干渉が生じうると考えられている。また、強い競争排除を引き起こすという性質から、外来種が在来種を駆逐するメカニズムを説明するものとして、一方向的な繁殖干渉の検証例が多く報告されてきた。
 しかし、在来植物間同士での双方向的な繁殖干渉の報告例は非常に少なく、また、繁殖干渉のもっとも重要な性質である頻度依存性について、野外集団で検証が行われた例はない。
 そこで本研究では、野外でしばしば同所的に分布するツユクサ属の在来一年性草本2品種(ツユクサとケツユクサ)を用いて、ビニールハウスでの栽培・実験、野外調査地での観察を通して、野外集団で頻度依存的な繁殖干渉が存在するかどうか、について検証を行った。
by mushikusa | 2015-11-18 10:42
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