6月27日(水)蟲草ゼミ拡大版

日時:6月27日(水)13:20〜
場所:A325

題目:マイマイカブリにおける形態的多様化と外部形態の遺伝基盤
演者:小沼順二(京大・理)

陸生巻貝を主食とするオサムシでは巨頭型と狹頭型とよばれる形態的2型がみられる。巨頭型オサムシは著しく肥大した頭部と胸部をもち、狹頭型オサムシは細長く伸長した頭部・胸部をもつ。興味深いことに、このような形態的2型はカタツムリを専門的に利用するオサムシでみられ、ミミズや昆虫を主食とするオサムシでは報告例がない。なぜ巻貝食のオサムシでのみ、このような形態の多様化が生じているのだろうか。マイマイカブリを用いた行動実験の結果、巨頭型は殻を壊す行動、狹頭型は頭を突っ込む行動においてそれぞれ高い採餌能力を示し、2つの行動の間にトレードオフが存在することが分かった。この行動の違いによって、資源として利用できるカタツムリ種の差が生じている。実際、野外におけるカタツムリ種構成を調べた結果、小型の巻貝が多い地域では巨頭型マイマイカブリが多く生息し、大型の巻貝が多い地域では狹頭型マイマイカブリが多く生息する傾向がみられた。陸生巻貝に対する適応進化の結果、貝食性オサムシの形態的多様化が生じたのではないだろうか。本仮説を更に検証すべく、マイマイカブリ巨頭型と狹頭型を実験室内で人工的に交雑させ、F1およびバッククロス系統を構築し、マイマイカブリ外部形態の量的遺伝解析を行った。本発表では、そのような形態形質の遺伝基盤が貝食性オサムシの適応進化にいかに影響を与え得るかについて議論を行う。また発表後半では、幾何学的形態測定法にふれると共に進化生態学への有効性を紹介したい。
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by mushikusa | 2012-06-21 11:41 | むしくさセミナー
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